合衆国最高機密ファイルFOIA

UFO、陰謀、都市伝説、公開された超機密ファイルを読み解く!

1990年代に行われた“ロズウェル事件”の再調査(パート6:広範囲に及ぶ本格調査)

f:id:pretoronews:20190428124746j:plain

イメージ:エイリアン

 (出典元FOIAファイル

 

パート5からの続き)

今回調査対象となった、特定の空軍スタッフ / 事務局には、以下のものが含まれる。
(a) SAF / AAI、情報管理理事会
(b) SAF / AQL、エレクトロニクスおよび特別プログラム管理局
(c) AF /SE、空軍安全管理局
(d) AF / HO、空軍歴史研究担当官
(e) AF / IN、空軍情報部(空軍情報局 AFIA、ならびに、国家空軍情報センター NAICを含む)
(f) AF / XOW、気象局
(g) (追記)空軍特別捜査局(AFOSI)

上記、空軍スタッフならびに各事務局に加え、本件に結び付きがあると想定される機密記録も、SAF / AAZにより同時に調査が行われた。扱う記録が高レベルの機密書類であるため、セキュリティ上の強化措置や管理を要するこれらの活動は、特殊アクセスプログラム(SAPs)と呼ばれるものとなった。これら活動に従事する専門家は、大統領令12356を受け、国防総省命令5205.7により国防総省から本任務へ派遣された。また、これらの活動は政策指示16-7、および、空軍命令16-701により空軍内部に設置された。これら命令は、全てのSAPS活動について、詳細な管理・報告業務を非常に厳格に規定したものである。
この報告には、申請により許可を得た全SAP活動についての、空軍長官から国防長官へ(最終的には議会へ)のものが含まれ、疑似的SAPと言うべき活動は一切行われていないことも確認された。これらの報告義務は、法的に規定されているものである。

また上記を基に、仮に地球外から来た宇宙船か生命体の遺体などが空軍の手により回収され、科学的、技術的目的のために利用されていたとするなら、その活動は必ずSAPの一つになると言える。全空軍特種活動本部であるSAF / AAZは、SAPについて十分に認識があり情報管理の監督権を保持している。そのSAF / AAZからは、地球外宇宙船および生命体に関係するいかなる特別対応プログラムも存在しない旨の、断定的な報告が得られている。

同様に、空軍が行う繊細な活動のすべてを監督する特別委員会を指揮する、空軍長官ならびに参謀長らは、ロズウェル事件もしくはそこから入手されたと言われているテクノロジーに関与・関連するいかなるプログラムの存在について、その知識を持ち得ていなかった。
この様な情報を、最高位に値する空軍部や管理者に対し隠ぺいする事の、変則性や違法性を別にしても、彼ら管理層が作戦活動、研究、開発、そして安全保障にかかる予算を確保する責任を持つ以上、隠ぺいというもの自体が論理性を欠いているとも言える。予算が無ければ、どのような活動、作戦、あるいは組織も存在し得ない。たとえ、受動的な“情報の番人”に対し隠ぺい行為を託すとしても、そこには予算が必須である。さらに重要な事としては、この件の事務処理を行う人間も関与しなければならない。

先述の、1994年3月1日にSAF / AAが行った調査は、全対象者から否定的な返答(Atch 6-12)を受け取った。彼ら全員は、この事象を解明し得るいかなる情報も持ち得ていないというものだ。
そして、これら否定的解答は、記録保管所において既に進行中であった履歴調査を、さらに推し進める結果となった。

記録保管所の書類および記録に対する、より大々的な調査は、SAF / AAZDの解除機密調査チームにより遂行された。このチームは、記録の大規模調査に関して、拡張的な訓練と経験を持つ空軍人材のみにより構成されたものだ(これ以前の彼らの活動には、東南アジア機密解除文書、POW / MIAの機密解除文書、さらに、湾岸戦争時の空軍力調査内容などの調査が含まれている)。
彼らチームメンバーは、機密文書閲覧について所望される権限と、空軍長官から与えられた、ロズウェルに関係する可能性がある発見されたいかなる機密記録をも閲覧するための許可を持っていた。
SAF / AAZDによる調査は、ワシントンDCの国立公文書館ミズーリ州セントルイスの国立人事記録センター、メリーランド州シュートランドの国立公文書館、ワシントンDCの海軍研究所、テキサス州フォートワースの連邦公文書館メリーランド州フォート・ミードのINSCOM文書館、ワシントンDCの国立航空宇宙博物館、アラバマ州マックスウェル空軍基地の空軍歴史研究所、ワシントンDCボーリング空軍基地の空軍歴史センター、マサチューセッツ州ハンスコム空軍基地およびニューメキシコ州カートランド空軍基地にあるフィリップス研究所、ニューヨーク州グリフィス空軍基地のローム研究所、さらにワシントンDCの米国議会図書館などを含む、広範囲の施設で行われた。

今回調査を受けた特定記録の範囲は、Atch 13により添付している。これら対象範囲は、問題となっている時期にロズウェルAAFが行った活動への関連を、論理的な視点から示唆し得ると思われるものを包含する。
この調査姿勢については、「記録書類Xや、証拠品Y、そして映像Zを調査していないじゃないか、そこに本当の証拠があるのに!」、という批判を呈する人物が出ることも想定される。
こういった批判は防ぎようがないものであり、空軍が保管する無数と言って良い書類を、1ページ毎に読み解くための手段は存在もしない。調査チームは、記録が発見できそうな場所において論理的な調査を行うための努力は惜しんでいない。この任務において、記録保管専門家、歴史専門家、記録管理専門家の助言を得ている。この専門家達は、1943年から陸空軍の記録保管に継続的に従事していた人物達である。
また、調査チームは、ロバート・トッドなど真剣な民間研究者により推奨された、いくつかの記録領域も調査を行った。彼は、特に本案件に関与する領域における、空軍の記録保管手順の複雑さについて、体系的な知識を獲得している人物である。

これは驚くに値しないが、ファイリングの間違い、保管場所間違いによる記録喪失、マーキングミス、経時的要因による記録体系の崩壊と間違った場所への再保管など、調査チームは(セントルイスをはじめ)多くの記録センターにおける日常的な問題の数々に遭遇した。これらの書類には、目次上"破棄"と記された、1945年から1949年のロズウェルを担っていた第509爆撃群についての、失われた少量の記録なども含まれている。
調査員達は、そこに変則性を意味するいかなるパターンも見出さなかったし、過去に行った同様の調査と比較しても、最も顕著な矛盾さえあまり意味を持たず特徴も持たなかった。

パート7へ続く)