合衆国最高機密ファイルFOIA

UFO、陰謀、都市伝説、公開された超機密ファイルを読み解く!

1990年代に行われた“ロズウェル事件”の再調査(パート12:記録されなかったバルーン)

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イメージ:ワレワレハウチュウカラ…

 (出典元FOIAファイル

 

パート11からの続き)

アルバート・P・クラリーが指揮する地上の先行チームが、NYUのグループをニューメキシコ州アラモゴードAAFへと先導し、NYUグループのための施設確保と地上センサーの設置を行った。この地に到着するとすぐムーア教授と彼の部下は、ネオプレン製バルーンのいくつかの調整、バルーン“トレイン”(Atch 25の図解を参照の事)の設計、自動バラストシステムと海軍のソノブイ(この時点では、ワトソン研究室から音響センサーが届いていなかった)の使用法などに関する実験を開始した。
また彼らは、彼らが名付けたところの“サービスフライト”というものを打ち上げた。これらに関しては、NYUとワトソン研究室の間で交わされた契約に基づき公表されたテクニカルレポート内でも、記録および十分な報告がなされる事はなかった。ムーア教授によれば、“サービスフライト”はバルーンにレーダー反射板とペイロードを搭載し、音響センサー(初期はソノブイ、その後はワトソン研究室からのデバイス)をテストする目的であった。
ペイロードに搭載された機器類は使い捨てであり、“報償”や“返却先”といった表示もされなかった。これらと、正式に認可された一定高度バルーン打ち上げとの間に、一切関連性を持たせないためである。NYUが打ち上げたバルーンは、彼らの報告書内では連番をつけてリストアップされておりフライト2から4と9の所に欠番が存在する(A、B、1、5、6、7、8、10…)が、ムーア教授に対する聞き取り調査により、これらの欠番がサービスフライトであった事が示された。

現場で働いたエンジニアであるムーア教授は、彼のチームが行った活動に関する詳細な情報を供述した。彼は、当初ニューメキシコに着いた時は装備が完全に揃っていなかったため、レーダー反射板を使いバルーンを追尾したと述懐している。計画当初のレーダー反射板試作品のいくつかは、おもちゃやノベルティ商品のメーカーに作らせたという。これらのターゲット板はアルミフォイルもしくはフォイルに裏打ちされた紙、エルマー接着剤のようなものでコーティングされ耐久性を向上させたバルサ材の支柱、アセテートや布地などで補強されたテープ類、ナイロンを一本鎖状に寄り合わせたものなどを、真ちゅう製のはとめと自在軸受けなどでボックス凧のような形状の反射板に組み上げたものだった(Atch 2 1のムーア自身による図解を参照の事)。

 

パート13へ続く)